【園田浩二のPainterいつ始めるの? 今でしょ。】
第4回 Painter 12のテンプレート
Painter12のテンプレートには黄金分割、縦横三分割、透視図の3種があります。
Painterは、その三種を全部重ねて表示することもでき、構図に関して色々とサポートしてくれます。
それぞれに使い道が沢山ありそうですね。
では、まず黄金分割から…。
黄金分割のテンプレート
絵を描く人なら誰もが知っている黄金分割と言う言葉
...絵を描かない人でも一度は聞いたことありますよね。
有名なところでは、レオナルド・ダ・ヴィンチの人体を星形と円に配置したプロポーション図、モンドリアンカラー、コルビジェのモデュロールなどが黄金分割の例になります。
良いプロポーションの普遍的な比率とは言われています。
![img01](http://img.e-frontier.co.jp/go-efro/designplex/20130604/img005_dp20130605.gif)
しかし、どうやってそれを導き出すのか。また、その詳しい利用方法を知っている人は、少ないのではないかと思います。
(1+√5)÷2 などと数式を出されても困るでしょうし、割り出し図なんて、描き方を教わったところで一々描いていられないですよね。
Painter 12のツールボックスのテンプレートから黄金分割を呼び出してみると、前々回にご紹介したミラーペイントや、万華鏡ペイントのように、各要素ごとに線の色分けも可能なテンプレートが出て来ます。割り出し図の補助線は描く必要がない上に、線は自分で自由な色に設定できるので、描いている絵の色と被って見えにくいなんてこともないわけですね。
では、試しにこの風景のパノラマ画像を一幅の絵として額装するとしたらどんな構図が良いのか。黄金分割のテンプレートを使ってトリミングしてみましょう。 (元のパノラマ画像もハイビジョン画像になれた現代人には広がりがあって捨てがたいですが...)
それぞれの分割線上に主な要素を置いて画面構成を考えてみます。
縦線に大きな樹の幹を入れ、密度や明暗の区切りで、目立つ岩や、強調したいものが入るようにテンプレートをドラッグ移動して検討します。
最終的にテンプレートの構成線でトリミングした画像がこの画像です。
実際にはこのテンプレートを参考に、自分で絵を描いて構成要素を配置するのですが、プリント用紙に納まって座りのよい写真などを検討するためにも使えますね。
名刺の文字配置に応用したり、色々な事に応用されると良い結果が得られるかも...。
三分割と透視図法のテンプレート
さて、次は三分割のテンプレートです。
最近のデジタルカメラのファインダーやモニターには色々水平線を合わせたりするガイドラインが表示されますが、表示されたからと言って、必ずそれに合わせて撮影するわけでもないですよね。
出来上がった画像を見て、全部を入れようとするあまりバランスが悪い構図になっていたり、あいかわらずの日の丸(被写体が画面の真ん中にある状態)写真だったり...。
よく言われることは、三分割の横線に水平線を合わせると風景などは良い構図になると言われていますね。
先ほどの写真を空の広がりではなく、うっそうとした樹木と大地の表情に重点を置いてトリミングしなおしてみました。皆さんはどちらがお好きですか?
透視図のテンプレート
透視図の法則を理解しないまま、絵と写真で実写合成を行ったり、写真に加筆したりをすると、全体が歪んで見えたりしますが、透視図こそテンプレートが欲しいですよね。
パースが転ぶと言う言い方をしますが、CGパース全盛の現代でも、水平線や消失点が合っていない建築の出来上がり予想図を時々見かけます。
Shadeにも透視図のカメラ表示に水平線を出す方法があって、それを活用している方もいるとは思うのですが、意外と使用されていないのは、実写合成はレタッチソフト上でと言う方が多いためでしょう。
でもせっかく3DCGで正確なパースが生成されるのに、肝心のコンポジット合成の時に、背景写真や添景に入れた画像とパースが合っていないと台無しですよね。
実写合成に自信がないと言う方に、もってこいの機能がPainter 12のテンプレート機能にあります。
それが最後に御紹介する透視図のテンプレートです。
使い方は他の2種のテンプレートと同じです。
消失点も移動できますので、3DCGに実写を合わせる時にも、実写に3DCGのパースを合わせる場合の補助線割り出し用にも使えますね。
Shadeの透視図のテンプレートにPainterの透視図のテンプレート込みで画像を読み込み、Shadeの消失点を合わせて、ShadeExplorerに収録されている岡山城の形状をレンダリングしてコンポジット合成するとこのような画像が作られます。
Painter 12のレイヤーにShadeのレンダリング画像を読み込み、前景を重ね、色補正や、ブラシで古色を着色して編集途中の画像がこれです。
Painter 12のテンプレートは、本来絵筆で絵を描くための補助線としての機能ですが、応用次第によっては、いろんな用途に利用できて面白いですね。
次回は最終回、Painter 12のまとめとして、まだご紹介していない機能や、便利で優れた部分をご案内できたらと考えています。では来週をお楽しみに。
※本文中の画像は、クリックすると拡大するものがあります。
![](http://corel.e-frontier.co.jp/content/images/MEDIA_CustomProductCatalog/m4440166_painter12_205x211_JP.jpg)
デジタルアートソフトウェアの最高峰
Painter 12
- パフォーマンスの改善
- 描画ブラシがマルチコアCPUに対応
- 拡大/縮小/回転時の画質が向上
- インターフェース、デザインを一新
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